お待たせしました
『あいあいのらくがき』の管理人:愛さんと私(あき 紗香奈)のホワイトデー コラボです。
コラボです。
今回も愛さん→SS、イラスト→私
となっております
どうぞお楽しみくださいm(_ _)m
******************************************
勇気を出した後のご褒美のような1日。
この日、彼はどんな気持ちで私を想うのだろう。
【white day】
バレンタインから私と祐一先輩は付き合うことになった。
拓磨たちはとっても驚いた……というか、引いていたような顔をしていたけど、なんとなくチョコを渡した時に私の気持ちが分かったらしく、意外なほどに祝福してくれた。
とっても幸せなはずのこの状況で、祐一先輩は最近とても悩んでいるように思える。
そう、悩んでいるみたい。
みたいなんだけど………
「ゆ、祐一先輩?」
「どうした」
どうしたじゃないと思う。
先輩は最近、よく私に会いに来るようになった。
それも休み時間ごとに教室へと堂々と入り、隣の席に座りじーーーっと………ひたすらじっーーーーと私を見つめる。
卒業まで学校に来なくてもいいと思うのに、毎日登校してまでどうしたことだろう。
負けずに見つめ返そうと思うのだけれど、先輩への想いとか乙女心とか…なんだか全部見透かされそうで、ついつい目をそらしてしまう。
あぁ、先輩。そこの席の生徒が座れなくて困ってます。
「先輩!何か私に聞きたいこととかあるんですか?」
「……何故だ?」
「だ、だって先輩、休み時間ごとに私に会いに来ては何も話さず、そ…その私をみているじゃないですか」
「迷惑か」
「そ、そんなことないですよっ!!ただ、何でなのかな?と」
そう聞くと、祐一先輩は少し溜息を吐いた。
キ――――ン――――コ―――――ンカ――――ンコ――――ン。
チャイムがなると同時に先輩が席を立ち、去って行った。
はぁ~~~~っ。
私の溜息とともに、何故かクラス中のみんなも溜息を吐く。
「ね、ねぇ?春日さん」
クラスメイトの子が話しかけてきた。
「狐邑先輩と付き合っているの?」
その質問にゴクリと喉を鳴らした。
ど、どうしよう……ここで「はい」と言ったら、みんなどんな反応するのかな?
祐一先輩、すっごく人気あるからイジメられちゃう?
汗をダラダラと流しながらも、勇気を振り絞ってコクンと頷いてみた。
「わーーーーっ!やっぱりっ!!」
「いつからなの!?」
「狐邑先輩が彼氏って羨ましい!!」
「毎日ここへ通うだなんて愛されてるよね!!」
クラス中の生徒たちが押し寄せる!!
「え、え!?ちょっと待って!!」
「はいはい、みんなそこまで~!踊り子さんには手を触れないでくださいね~」
清乃ちゃんが間に入って救ってくれた。
ありがとう、清乃ちゃん!!
「恥ずかしがり屋の珠紀ちゃんに変わって、この清乃ちゃんがお答えしましょう!!珠紀ちゃんと狐邑先輩は運命のあっか~い糸で繋がっていたんですねぇ♪ なので、間もなく結婚!そして可愛らしい赤ちゃんを授かることでしょう!!」
やっぱり清乃ちゃん黙ってて。
担任の先生が教室に入ってくるなり解放されたけど、授業が終わるとみんなが寄ってきそうだったので、今日はほとんど休み時間は屋上に避難することになった。
そして放課後、祐一先輩とともに帰路する。
あ、歩きながらも視線を感じます先輩……。
じっと私を見つめる視線に耐えかね、とうとう足が止まった。
「祐一先輩っ!何か悩みがあるのなら、聞きます!!どうぞ言ってください」
「………。」
祐一先輩がじっと私を見る。ま、負けないっ!今日こそは負けないんだからっ。
引かない私を感じたのか、祐一先輩はとうとう観念して話しかけた。
「わからない」
「わからないって?何がですか?」
そう言うと、祐一先輩は急に私の腕をとり、引き寄せた。
「祐一先輩」
私の頭を愛おしそうになでる。
ドキドキと心臓が鳴りだす。
なでていた手がだんだんと私の頬を伝って、やがて唇の上に指をそえた。
「お前に何を送れば喜ぶのか」
送るって何をですか!?
顔に血がのぼった状態で一生懸命頭を巡らすと、ようやくあることに気がついた。
「あ!ホワイトデー」
祐一先輩はそうだ。と頷いた。
そっか、それで私が何を好きなのか観察していたんだ。
なんだかちょっと疲れがでた。
「私は何もいらないですよ」
「いらない?」
「はい、もう貰ってますから」
「俺が…か?」
にっこりと先輩を見て笑ってみる。
“祐一先輩っていうお返しを貰ってます。”
って、恥ずかしすぎて言えないけど…。
顔を赤くしながらも、一生懸命頷く。
あ……あれ?祐一先輩もの凄く悩んでる。
いつもよりも、深刻にじ――――――っと熱い視線を感じ、堪りかねた私は、提案を出した。
「じゃ、じゃぁ。祐一先輩を1日ください!!」
慌てて言ったセリフは自分でも驚く内容で…
当然自分自身口をパクパクさせながらも、アタフタしてしまう。
「じゃ、なくって…その、あのっ!!」
「………わかった」「え!?何が分かったんですかっ!!」
祐一先輩は美しいまでの笑みを浮かべなから、私の手をとり家へと送ってくれました。
                 
☆
――――― ホワイトデー当日 ―――――
この日は休日で、家にいます。
前日祐一先輩に家で待っていろと言われ、待っています。
ど、どうしよう!!そわそわしてきた。
「どうされたのです?」
美鶴ちゃんが私の落ちつきの無さに、質問してきた。
そうだ、美鶴ちゃんに心の内を話せばいくらか落ちつくかも。
………っと思って話したのが失敗だったと、この時私は思わなかった。
「何故もっと早くに言ってくださらないのですかっ!!」
「え?美鶴ちゃん?」
「こうしちゃいられません!色々と準備を……っ!!」
そういうと、美鶴ちゃんが何人もいるような早さで家の中をアレコレし始めた。
「み、美鶴ちゃん…」
私は一体何を彼女に言っちゃったのだろう…。
一通り彼女がやり終えた後、タイミングよく祐一先輩がやってきた。
「いらっしゃいませ。」
「先輩、こんにちは。」
二人で先輩を迎える。
「あぁ、あがるぞ」
「はい。これからはここを我が家と思ってお寛ぎください。」
ん?我が家?
ちょっと頭をかしげたけど、あまり気にせずに居間へと向かった。
心配ごともどことやら、ほどなく先輩と時間を過ごすと、あっという間に夕方になってしまった。
「狐邑さま、本日はこちらでお泊まりください」
「え?…美鶴ちゃんなんで?」
「いえ。今日は狐邑家でなにやら御用事があるらしく、誰もいらっしゃらないとのご連絡がありました。それならばこちらでお世話させてくださいと、お伝えいたしました。」
そういうと、夕飯のご用意をしますと席をたった。
あ…怪しい。なんだか美鶴ちゃんが怪しいと思うのは私だけだろうか?
なんで、顔を赤くしたまま目をそらして言ったのか……。
「ゆ、祐一先輩!家に確認した方がいいです。」
「……俺は別にかまわないが」
かまわないって………。
しばらく顔を赤くしたまま固まっていると、美鶴ちゃんが料理を出してくれた。
「……美鶴ちゃん。これ何?」
「すっぽん料理です。珍しいですし、おいしいですよ」
祐一先輩と私はじっとその料理を見つめる。
なんで「すっぽん」なのっ!?
「ご、ごめん。美鶴ちゃん……普通の料理がいいです」
祐一先輩も頷いた。
「チッ」
美鶴ちゃんは料理を下げてながらも台所へ。
「チッ」って言った……。
台所方面を見つめながら、とても嫌な予感がしてくる。気になったので、台所をそっとのぞくと何やら美鶴ちゃんが料理の中に薬を盛っている。
ガラッ!!
「美鶴ちゃんっ!そこまでです!」
「珠紀さまっ!?」
「そ、その粉は何?」
「ご心配なさらないでください。これは殿方が精のつく薬です。」
「つかなくていいからっ!!」
「何を言うのです?せっかくのこのチャンス、逃す手はありませんっ!!」
「美鶴ちゃんは私たちにどうしてほしいのっ!?」
そう聞くと、両頬に手をあてがいながらも顔を赤く染めた。
「は、早く可愛いおややを………玉依の血筋の安泰を…」
「美鶴ちゃんっ!!」
美鶴ちゃんの暴走をなんとか抑えながらも、無事食事を終えることができたのは奇跡だったと言っていいと後で思った。
                   
☆
あれから何事もなくお風呂を済ませ、先輩とは勿論別々の部屋で眠る体制になれた。
なんだかホワイトデーとは言えないような一日だったけど、今もこの家に先輩がいてくれるという安心と喜びで胸がいっぱいになり、なかなか寝付けない。
しばらくすると、誰かがこちらへ向かってくる足音がする。
ギシ…ギシ……
誰だろう?美鶴ちゃんかな。
そう思っていると、そっと扉が開き誰かが入ってきた。
「美鶴ちゃん?どうしたの?」
顔を確かめようと手を伸ばしながらも近寄ると、ガシっと手を掴まれ押し倒された。
「え?……んっ」
私の唇を唇でふさがれる。
ビックリして少し暴れると声がした。
「俺だ」
「ゆ、祐一先輩っ!?」
 
 
布団の上に先輩に押し倒されているこの状況に、頭がついていかない。
「せ、先輩なんで!!」
「お前が俺を欲しいと言った」
い、いつ言ったっ!?目がグルグルしながらも必死になって思い出す。
「あ!もしかして“先輩を一日ください”と言ったことですか!?」
そうだと頷いてる…。
あ、あ、あ、あ、あれをこうとったかっ!!
全身汗だくになるっ。
固まる私の首に顔を埋めてくる……。
きゃーーーーっいけませんっ!!
「せ、せ、せ、先輩っ!!違いますっ。その意味じゃありません!!」
先輩が顔をあげた。
「わ、私が言ったのは、先輩との時間が欲しかったという意味ですよ」
今度は先輩が固まる番だった。
「………こういうのは嫌か?」
「そうじゃありません……ただ、今は心の準備が出来てないんです」
ドキドキしすぎて目を開けてられない。
しばらくすると深い溜息が聞こえた。そっと目を開けると、私の頬に手を置きながらも先輩の切なそうな顔が見えた。
「それなら俺はお前に何をしてあげればいい?」
「先輩?」
「お前からチョコを渡されたあの日、色々なものを貰った。
お前の手作り
お前の心
お前のそばにいられる権利
そしてお前自身だ」
じっと私をみるその切ない目からそらせない。
「俺はお前に何も渡していない」
首を横に振る。
「先輩から沢山もらいましたよ?
あの日に私も先輩から“心”や“そばにいられる権利”や“先輩自身”を」
今度は先輩が首を横に振る。
「足りない…お前から貰ったものとは釣り合わない」
納得いかない先輩をどうなだめようかと、目を泳がせると机の上の赤いリボンに目が止まった。
刺繍か何かに使おうと買っておいた赤いリボン。
「それじゃ…先輩?私のわがままに一つ付き合ってください」
リボンを手に取ると先輩の小指と私の小指に結びつける。
「赤い糸って信じますか?目に見えない糸です。でもこうすると目に見えます、幸せな気分になれます。
今日はこれをつけたまま一緒に寝てください。それをプレゼントにしてくれますか?」
ちょっと、馬鹿げていると自分でも思う。
必死で思いついた私の恥ずかしい我儘。
こんな時じゃなきゃ言えない。
祐一先輩は二コリと笑いながら私のおでこにキスを落とし、一緒に眠りに着いた。
夢の中でも、いつまでも覚めたくないような、キャンディみたいに甘い甘い幸せが私を包んだ。
Fin

『あいあいのらくがき』の管理人:愛さんと私(あき 紗香奈)のホワイトデー
 コラボです。
コラボです。今回も愛さん→SS、イラスト→私
となっております

どうぞお楽しみくださいm(_ _)m
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勇気を出した後のご褒美のような1日。
この日、彼はどんな気持ちで私を想うのだろう。
【white day】
バレンタインから私と祐一先輩は付き合うことになった。
拓磨たちはとっても驚いた……というか、引いていたような顔をしていたけど、なんとなくチョコを渡した時に私の気持ちが分かったらしく、意外なほどに祝福してくれた。
とっても幸せなはずのこの状況で、祐一先輩は最近とても悩んでいるように思える。
そう、悩んでいるみたい。
みたいなんだけど………
「ゆ、祐一先輩?」
「どうした」
どうしたじゃないと思う。
先輩は最近、よく私に会いに来るようになった。
それも休み時間ごとに教室へと堂々と入り、隣の席に座りじーーーっと………ひたすらじっーーーーと私を見つめる。
卒業まで学校に来なくてもいいと思うのに、毎日登校してまでどうしたことだろう。
負けずに見つめ返そうと思うのだけれど、先輩への想いとか乙女心とか…なんだか全部見透かされそうで、ついつい目をそらしてしまう。
あぁ、先輩。そこの席の生徒が座れなくて困ってます。
「先輩!何か私に聞きたいこととかあるんですか?」
「……何故だ?」
「だ、だって先輩、休み時間ごとに私に会いに来ては何も話さず、そ…その私をみているじゃないですか」
「迷惑か」
「そ、そんなことないですよっ!!ただ、何でなのかな?と」
そう聞くと、祐一先輩は少し溜息を吐いた。
キ――――ン――――コ―――――ンカ――――ンコ――――ン。
チャイムがなると同時に先輩が席を立ち、去って行った。
はぁ~~~~っ。
私の溜息とともに、何故かクラス中のみんなも溜息を吐く。
「ね、ねぇ?春日さん」
クラスメイトの子が話しかけてきた。
「狐邑先輩と付き合っているの?」
その質問にゴクリと喉を鳴らした。
ど、どうしよう……ここで「はい」と言ったら、みんなどんな反応するのかな?
祐一先輩、すっごく人気あるからイジメられちゃう?
汗をダラダラと流しながらも、勇気を振り絞ってコクンと頷いてみた。
「わーーーーっ!やっぱりっ!!」
「いつからなの!?」
「狐邑先輩が彼氏って羨ましい!!」
「毎日ここへ通うだなんて愛されてるよね!!」
クラス中の生徒たちが押し寄せる!!
「え、え!?ちょっと待って!!」
「はいはい、みんなそこまで~!踊り子さんには手を触れないでくださいね~」
清乃ちゃんが間に入って救ってくれた。
ありがとう、清乃ちゃん!!
「恥ずかしがり屋の珠紀ちゃんに変わって、この清乃ちゃんがお答えしましょう!!珠紀ちゃんと狐邑先輩は運命のあっか~い糸で繋がっていたんですねぇ♪ なので、間もなく結婚!そして可愛らしい赤ちゃんを授かることでしょう!!」
やっぱり清乃ちゃん黙ってて。
担任の先生が教室に入ってくるなり解放されたけど、授業が終わるとみんなが寄ってきそうだったので、今日はほとんど休み時間は屋上に避難することになった。
そして放課後、祐一先輩とともに帰路する。
あ、歩きながらも視線を感じます先輩……。
じっと私を見つめる視線に耐えかね、とうとう足が止まった。
「祐一先輩っ!何か悩みがあるのなら、聞きます!!どうぞ言ってください」
「………。」
祐一先輩がじっと私を見る。ま、負けないっ!今日こそは負けないんだからっ。
引かない私を感じたのか、祐一先輩はとうとう観念して話しかけた。
「わからない」
「わからないって?何がですか?」
そう言うと、祐一先輩は急に私の腕をとり、引き寄せた。
「祐一先輩」
私の頭を愛おしそうになでる。
ドキドキと心臓が鳴りだす。
なでていた手がだんだんと私の頬を伝って、やがて唇の上に指をそえた。
「お前に何を送れば喜ぶのか」
送るって何をですか!?
顔に血がのぼった状態で一生懸命頭を巡らすと、ようやくあることに気がついた。
「あ!ホワイトデー」
祐一先輩はそうだ。と頷いた。
そっか、それで私が何を好きなのか観察していたんだ。
なんだかちょっと疲れがでた。
「私は何もいらないですよ」
「いらない?」
「はい、もう貰ってますから」
「俺が…か?」
にっこりと先輩を見て笑ってみる。
“祐一先輩っていうお返しを貰ってます。”
って、恥ずかしすぎて言えないけど…。
顔を赤くしながらも、一生懸命頷く。
あ……あれ?祐一先輩もの凄く悩んでる。
いつもよりも、深刻にじ――――――っと熱い視線を感じ、堪りかねた私は、提案を出した。
「じゃ、じゃぁ。祐一先輩を1日ください!!」
慌てて言ったセリフは自分でも驚く内容で…
当然自分自身口をパクパクさせながらも、アタフタしてしまう。
「じゃ、なくって…その、あのっ!!」
「………わかった」「え!?何が分かったんですかっ!!」
祐一先輩は美しいまでの笑みを浮かべなから、私の手をとり家へと送ってくれました。
☆
――――― ホワイトデー当日 ―――――
この日は休日で、家にいます。
前日祐一先輩に家で待っていろと言われ、待っています。
ど、どうしよう!!そわそわしてきた。
「どうされたのです?」
美鶴ちゃんが私の落ちつきの無さに、質問してきた。
そうだ、美鶴ちゃんに心の内を話せばいくらか落ちつくかも。
………っと思って話したのが失敗だったと、この時私は思わなかった。
「何故もっと早くに言ってくださらないのですかっ!!」
「え?美鶴ちゃん?」
「こうしちゃいられません!色々と準備を……っ!!」
そういうと、美鶴ちゃんが何人もいるような早さで家の中をアレコレし始めた。
「み、美鶴ちゃん…」
私は一体何を彼女に言っちゃったのだろう…。
一通り彼女がやり終えた後、タイミングよく祐一先輩がやってきた。
「いらっしゃいませ。」
「先輩、こんにちは。」
二人で先輩を迎える。
「あぁ、あがるぞ」
「はい。これからはここを我が家と思ってお寛ぎください。」
ん?我が家?
ちょっと頭をかしげたけど、あまり気にせずに居間へと向かった。
心配ごともどことやら、ほどなく先輩と時間を過ごすと、あっという間に夕方になってしまった。
「狐邑さま、本日はこちらでお泊まりください」
「え?…美鶴ちゃんなんで?」
「いえ。今日は狐邑家でなにやら御用事があるらしく、誰もいらっしゃらないとのご連絡がありました。それならばこちらでお世話させてくださいと、お伝えいたしました。」
そういうと、夕飯のご用意をしますと席をたった。
あ…怪しい。なんだか美鶴ちゃんが怪しいと思うのは私だけだろうか?
なんで、顔を赤くしたまま目をそらして言ったのか……。
「ゆ、祐一先輩!家に確認した方がいいです。」
「……俺は別にかまわないが」
かまわないって………。
しばらく顔を赤くしたまま固まっていると、美鶴ちゃんが料理を出してくれた。
「……美鶴ちゃん。これ何?」
「すっぽん料理です。珍しいですし、おいしいですよ」
祐一先輩と私はじっとその料理を見つめる。
なんで「すっぽん」なのっ!?
「ご、ごめん。美鶴ちゃん……普通の料理がいいです」
祐一先輩も頷いた。
「チッ」
美鶴ちゃんは料理を下げてながらも台所へ。
「チッ」って言った……。
台所方面を見つめながら、とても嫌な予感がしてくる。気になったので、台所をそっとのぞくと何やら美鶴ちゃんが料理の中に薬を盛っている。
ガラッ!!
「美鶴ちゃんっ!そこまでです!」
「珠紀さまっ!?」
「そ、その粉は何?」
「ご心配なさらないでください。これは殿方が精のつく薬です。」
「つかなくていいからっ!!」
「何を言うのです?せっかくのこのチャンス、逃す手はありませんっ!!」
「美鶴ちゃんは私たちにどうしてほしいのっ!?」
そう聞くと、両頬に手をあてがいながらも顔を赤く染めた。
「は、早く可愛いおややを………玉依の血筋の安泰を…」
「美鶴ちゃんっ!!」
美鶴ちゃんの暴走をなんとか抑えながらも、無事食事を終えることができたのは奇跡だったと言っていいと後で思った。
☆
あれから何事もなくお風呂を済ませ、先輩とは勿論別々の部屋で眠る体制になれた。
なんだかホワイトデーとは言えないような一日だったけど、今もこの家に先輩がいてくれるという安心と喜びで胸がいっぱいになり、なかなか寝付けない。
しばらくすると、誰かがこちらへ向かってくる足音がする。
ギシ…ギシ……
誰だろう?美鶴ちゃんかな。
そう思っていると、そっと扉が開き誰かが入ってきた。
「美鶴ちゃん?どうしたの?」
顔を確かめようと手を伸ばしながらも近寄ると、ガシっと手を掴まれ押し倒された。
「え?……んっ」
私の唇を唇でふさがれる。
ビックリして少し暴れると声がした。
「俺だ」
「ゆ、祐一先輩っ!?」
布団の上に先輩に押し倒されているこの状況に、頭がついていかない。
「せ、先輩なんで!!」
「お前が俺を欲しいと言った」
い、いつ言ったっ!?目がグルグルしながらも必死になって思い出す。
「あ!もしかして“先輩を一日ください”と言ったことですか!?」
そうだと頷いてる…。
あ、あ、あ、あ、あれをこうとったかっ!!
全身汗だくになるっ。
固まる私の首に顔を埋めてくる……。
きゃーーーーっいけませんっ!!
「せ、せ、せ、先輩っ!!違いますっ。その意味じゃありません!!」
先輩が顔をあげた。
「わ、私が言ったのは、先輩との時間が欲しかったという意味ですよ」
今度は先輩が固まる番だった。
「………こういうのは嫌か?」
「そうじゃありません……ただ、今は心の準備が出来てないんです」
ドキドキしすぎて目を開けてられない。
しばらくすると深い溜息が聞こえた。そっと目を開けると、私の頬に手を置きながらも先輩の切なそうな顔が見えた。
「それなら俺はお前に何をしてあげればいい?」
「先輩?」
「お前からチョコを渡されたあの日、色々なものを貰った。
お前の手作り
お前の心
お前のそばにいられる権利
そしてお前自身だ」
じっと私をみるその切ない目からそらせない。
「俺はお前に何も渡していない」
首を横に振る。
「先輩から沢山もらいましたよ?
あの日に私も先輩から“心”や“そばにいられる権利”や“先輩自身”を」
今度は先輩が首を横に振る。
「足りない…お前から貰ったものとは釣り合わない」
納得いかない先輩をどうなだめようかと、目を泳がせると机の上の赤いリボンに目が止まった。
刺繍か何かに使おうと買っておいた赤いリボン。
「それじゃ…先輩?私のわがままに一つ付き合ってください」
リボンを手に取ると先輩の小指と私の小指に結びつける。
「赤い糸って信じますか?目に見えない糸です。でもこうすると目に見えます、幸せな気分になれます。
今日はこれをつけたまま一緒に寝てください。それをプレゼントにしてくれますか?」
ちょっと、馬鹿げていると自分でも思う。
必死で思いついた私の恥ずかしい我儘。
こんな時じゃなきゃ言えない。
祐一先輩は二コリと笑いながら私のおでこにキスを落とし、一緒に眠りに着いた。
夢の中でも、いつまでも覚めたくないような、キャンディみたいに甘い甘い幸せが私を包んだ。
Fin
PR
					お久し振りです
約二週間ぶりのブログになりますね。
そんなこんなで、絵の方は一段落しましたので
遅くなりましたがweb拍手のお返事をしたい と思います。
と思います。
愛さん、桃牙さん、遅くなってすいませんでしたm(_ _)m
空パチもブログサイト運営の元気のもとになっております。
みなさま、ありがとうございます
とりあえず今後の予定を
☆3月12日→けやき様から頂いたスタスカSSのお披露目
☆3月13日→柳さまから頂いたイラストお披露目
☆3月14日→愛さんとのホワイトデーコラボ作品のお披露目
この 日間は、Spiceが祭り状態です
日間は、Spiceが祭り状態です (笑)
(笑)
						こんにちは(・∀・)ノ
最近、物忘れがヒドイ紗香奈です。
バレンタインで、愛さんとコラボをしました!
沢山の方が見に来て下さってくれて、一人で感激しているところです♪
空パチもコメント付き拍手も、どうもありがとうごさいましたm(__)m
今回は、携帯から編集しているため、そのままコメントのお返事させて頂きます☆
(時間があるときに、直しますので。)
愛さん
バレンタインコラボありがとう(*^_^*)
来月に迫ったホワイトデーコラボも、ヨロシクね☆
お手柔らかにお願いします。
けやきさん
毎回コメント遅くなって、ごめんなさい(;_;)
コラボの件、心よく受けてくれて、
ありがとうございます!
近い内にメールしますので~♪
…たくさん絵描きたいのに、
時間と気力が無いよぉ~!(泣)
緋色の森のお題を、漫画で制作している
私に叱咤激励を( ̄□ ̄;)!!
あと思うのが、色々なお題に挑戦したいが
如何せん私と言う人間は一人だからなぁ~。
…皆さんの日記、読み逃げ常習犯です(笑)
コメント残せるように、時間を
調整したいと思います。
早く仕事が、一段落ついて欲しい今日この頃。
					
																														最近、物忘れがヒドイ紗香奈です。
バレンタインで、愛さんとコラボをしました!
沢山の方が見に来て下さってくれて、一人で感激しているところです♪
空パチもコメント付き拍手も、どうもありがとうごさいましたm(__)m
今回は、携帯から編集しているため、そのままコメントのお返事させて頂きます☆
(時間があるときに、直しますので。)
愛さん
バレンタインコラボありがとう(*^_^*)
来月に迫ったホワイトデーコラボも、ヨロシクね☆
お手柔らかにお願いします。
けやきさん
毎回コメント遅くなって、ごめんなさい(;_;)
コラボの件、心よく受けてくれて、
ありがとうございます!
近い内にメールしますので~♪
…たくさん絵描きたいのに、
時間と気力が無いよぉ~!(泣)
緋色の森のお題を、漫画で制作している
私に叱咤激励を( ̄□ ̄;)!!
あと思うのが、色々なお題に挑戦したいが
如何せん私と言う人間は一人だからなぁ~。
…皆さんの日記、読み逃げ常習犯です(笑)
コメント残せるように、時間を
調整したいと思います。
早く仕事が、一段落ついて欲しい今日この頃。
 









 最近人様から、頂き物ばかりでホクホクッです
最近人様から、頂き物ばかりでホクホクッです )
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