私の11月の誕生日に、素敵なSS頂きました
ツイッターで仲良くしてれている『アオバラメサイア』管理人の天音さんこと、ハムしゃんからの頂きものです
私の注文した『女の子が和気あいあいしてるSS』と言ったら、想像以上に素敵なSSをくれました
やっぱり、可愛いし微笑ましい!!としか言えないSSです。
うん、私にとって破壊力抜群です
私だけで、読むのが勿体ないので、許可をもらって載せちゃいました♪
きっと皆さん、楽しんで頂けると思います
※天音さんの許可を頂いて、私が一部挿絵を描いてSS載せていただいてます。
それでは、前置きはこのぐらいにして『つづき』から、素敵な素敵なSSをお楽しみくださいm(_ _)m
ツイッターで仲良くしてれている『アオバラメサイア』管理人の天音さんこと、ハムしゃんからの頂きものです
私の注文した『女の子が和気あいあいしてるSS』と言ったら、想像以上に素敵なSSをくれました
やっぱり、可愛いし微笑ましい!!としか言えないSSです。
うん、私にとって破壊力抜群です
私だけで、読むのが勿体ないので、許可をもらって載せちゃいました♪
きっと皆さん、楽しんで頂けると思います
※天音さんの許可を頂いて、私が一部挿絵を描いてSS載せていただいてます。
それでは、前置きはこのぐらいにして『つづき』から、素敵な素敵なSSをお楽しみくださいm(_ _)m
いつも仲良くさせて頂いてる「木もれ日ふわり」の管理人けやきさんから、
私のブログ開設 ヵ月記念にSSを頂きました
スタスカの錫也(春組)×月子ちゃんのSSです
ジャンル外にもかかわらず、快く承諾してもらえて…
私、なんて幸せ者なんだ(笑)
私が感想書くのもおこがましいですが、ほんとうに心がホッとする文章を
書かれる方なので、読んでいていつも幸せに浸れます♪
…とまぁ~長い前座はこのくらいにしまして、さっそくSSをお披露目したいと
思います。
ごゆるりとご堪能くださいませm(_ _)m
(初出し→2010.3.12 再UP→2010.5.2)
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
『チャイ』
「月子、今日の午後の予定は?」
今年も哉太に付き合って受けていた特別講義がようやく終わった。
「ええと、お昼を食べてから生徒会の書類を片付けて、三時過ぎから弓道場に行って自主練をしようと思って」
「そう。あのさ、少し時間、とれるかな?」
月子は小首をかしげて考える。
いつもながらの可愛い仕草だが、でもその顔色が少しだけ悪いことに俺は気が付いていた。
さり気なく触れてみた手も冷たい。
「う~ん・・・書類はそんなに量がないし颯斗君と二人ならば早く終わると思うから、一時間くらいは大丈夫かな。なあに?何か用事があるの?」
「ま、そんなとこかな。じゃあさ、二時頃に生徒会室に迎えに行くよ」
「うん、わかった」
哉太と一緒に三人で食べる昼食はそれなりに楽しかったけれど、月子はあまり食が進まないようだった。
どうしたのかと訊いてみても、なんでもないよ、と笑うだけ。
俺に気を遣ってるのかもしれないけれど、それはちょっと寂しいかな。
もう去年みたいな心配は嫌だから、俺はやっぱり計画を実行に移すよ。
月子を生徒会室に送ってから、俺は急いで寮の自室に戻り必要なものをまとめて食堂に向かった。
これからが腕の見せ所だ。
「仕事は終わった?」
生徒会室のドアを二時ちょうどにノックして開くと、月子はもう支度を済ませていた。
「うん、颯斗君のおかげで思っていたよりも速く進んだから」
にこやかに笑う彼女の言葉に少し胸がちりりとしたが、それよりも大切なことがある。
俺は彼女を半ば背に隠すようにして、青空君に軽く挨拶をしてドアを閉めた。
「ねえ、錫也、どうしたの?そんなに大きな荷物を持って」
「ん、とりあえず、ちょっと内緒。来ればわかるよ」
「それに何の用事?」
「あのさ、彼氏と一緒に過ごすのに、お前にははっきりとした理由なんて必要?」
そう言って彼女の目を覗き込むと、とたんに顔を真っ赤にする。
ほんと、可愛いなお前は。
月子を連れて行ったのは、裏庭の一角。
うららかな春の陽気に、桜は眠っているように咲いている。
周りを確認してから、俺はピクニックシートを敷いて彼女に座るように促した。
不思議そうな顔をして座る彼女のすぐ横に俺は腰を下ろす。
「まずは、このお茶を飲んでみて」
俺はポットから中身を注いだ。
どうかな、気に入ってくれるといいのだけど。
くん、と香りをかいでから月子はカップの中身を飲み干した。
「面白い香り。でも甘くて美味しい!ええと、ミルクティーだよね?」
「チャイっていうんだ。スパイスを加えて煮出したインド風のミルクティーだよ」
「スパイスって、胡椒とか?」
「そう。でもこれには入れていない。俺が入れたのは、ジンジャーとナツメグ、カルダモンにクローブ、スターアニスを少々ってところだよ」
チャイをもう一杯、彼女のカップに注ぐ。
「ふう~ん、面白いけれども、何だか落ち着く香り。身体も温まるね」
「そう感じてもらえたのなら大成功だな。あ、スコーンも焼いてきたんだ。食べる?」
彼女の目がぱっと輝いた。
よかった、食欲も出てきたみたいだ。
「うん!」
俺は、先程急いで焼いた、ブルーベリー入りとにんじん入りの二種類の小さいスコーンを取り出した。
美味しいね、と目を細めて、俺が作ったチャイを飲みスコーンを食べる月子。
愛おしさが胸に溢れる。
「ごちそうさまでした」
「足りた?」
「うん、とっても美味しかった!錫也、ありがとう」
「いえ、どういたしまして」
俺は鞄からブランケットを取り出してシートの上に敷いた。
「それでは、と。はい、まずこの上に座って」
きょとんとした顔をして、それでも彼女は素直に俺の言ったとおりにしてくれた。
「そして、横になって目を瞑る」
「ええ~っ、ここでお昼寝をしろってこと?」
「そうだよ。お前さ、ここのところ疲れているだろ。顔色も良くないし。だから、少しだけでもいいから眠りなさい。ちゃんと起こしてやるから」
そう言って月子の手を握る。温まってきた手に安心した。
「ほら、手を握っててやるから、おやすみ」
「あの、ちょっと恥ずかしいよ。誰かに見られるかもしれないし」
「大丈夫。木と俺の蔭になって見えないから安心して。とりあえず、目を瞑ってごらん」
しばらく彼女は躊躇っていたが、横になりやがて小さなあくびを一つすると、じゃあ起こしてね、といって目を閉じた。
いくらも経たないうちに、静かな寝息が聞こえてくる。
俺は片手で、持ってきた自分のコートを彼女の上に広げた
スパイスについて勉強しておいて良かった。
もう少し研究して、体調に合わせた好みの料理をいくつか開発するかな。
ああ、そうだ、ハーブティーも試してみようか。
あどけなくやさしい月子の寝顔に胸が温まる。
な、月子。
お前の心も身体も、俺が守るよ。
今日のチャイのように、お前が疲れていたら心を和らげて、冷えていたら温めて、お前が歩いていくための栄養になりたい、といつも思っている。
だから、これから先もずっと俺のすぐ横で、生き生きと笑っていてほしい。
そして俺にだけ、こんな可愛い顔を見せてくれないか。
月子の手をしっかりと握り直す。
チャイの香りが、ふわりと漂ってきた。
(終)
私のブログ開設 ヵ月記念にSSを頂きました
スタスカの錫也(春組)×月子ちゃんのSSです
ジャンル外にもかかわらず、快く承諾してもらえて…
私、なんて幸せ者なんだ(笑)
私が感想書くのもおこがましいですが、ほんとうに心がホッとする文章を
書かれる方なので、読んでいていつも幸せに浸れます♪
…とまぁ~長い前座はこのくらいにしまして、さっそくSSをお披露目したいと
思います。
ごゆるりとご堪能くださいませm(_ _)m
(初出し→2010.3.12 再UP→2010.5.2)
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
『チャイ』
「月子、今日の午後の予定は?」
今年も哉太に付き合って受けていた特別講義がようやく終わった。
「ええと、お昼を食べてから生徒会の書類を片付けて、三時過ぎから弓道場に行って自主練をしようと思って」
「そう。あのさ、少し時間、とれるかな?」
月子は小首をかしげて考える。
いつもながらの可愛い仕草だが、でもその顔色が少しだけ悪いことに俺は気が付いていた。
さり気なく触れてみた手も冷たい。
「う~ん・・・書類はそんなに量がないし颯斗君と二人ならば早く終わると思うから、一時間くらいは大丈夫かな。なあに?何か用事があるの?」
「ま、そんなとこかな。じゃあさ、二時頃に生徒会室に迎えに行くよ」
「うん、わかった」
哉太と一緒に三人で食べる昼食はそれなりに楽しかったけれど、月子はあまり食が進まないようだった。
どうしたのかと訊いてみても、なんでもないよ、と笑うだけ。
俺に気を遣ってるのかもしれないけれど、それはちょっと寂しいかな。
もう去年みたいな心配は嫌だから、俺はやっぱり計画を実行に移すよ。
月子を生徒会室に送ってから、俺は急いで寮の自室に戻り必要なものをまとめて食堂に向かった。
これからが腕の見せ所だ。
「仕事は終わった?」
生徒会室のドアを二時ちょうどにノックして開くと、月子はもう支度を済ませていた。
「うん、颯斗君のおかげで思っていたよりも速く進んだから」
にこやかに笑う彼女の言葉に少し胸がちりりとしたが、それよりも大切なことがある。
俺は彼女を半ば背に隠すようにして、青空君に軽く挨拶をしてドアを閉めた。
「ねえ、錫也、どうしたの?そんなに大きな荷物を持って」
「ん、とりあえず、ちょっと内緒。来ればわかるよ」
「それに何の用事?」
「あのさ、彼氏と一緒に過ごすのに、お前にははっきりとした理由なんて必要?」
そう言って彼女の目を覗き込むと、とたんに顔を真っ赤にする。
ほんと、可愛いなお前は。
月子を連れて行ったのは、裏庭の一角。
うららかな春の陽気に、桜は眠っているように咲いている。
周りを確認してから、俺はピクニックシートを敷いて彼女に座るように促した。
不思議そうな顔をして座る彼女のすぐ横に俺は腰を下ろす。
「まずは、このお茶を飲んでみて」
俺はポットから中身を注いだ。
どうかな、気に入ってくれるといいのだけど。
くん、と香りをかいでから月子はカップの中身を飲み干した。
「面白い香り。でも甘くて美味しい!ええと、ミルクティーだよね?」
「チャイっていうんだ。スパイスを加えて煮出したインド風のミルクティーだよ」
「スパイスって、胡椒とか?」
「そう。でもこれには入れていない。俺が入れたのは、ジンジャーとナツメグ、カルダモンにクローブ、スターアニスを少々ってところだよ」
チャイをもう一杯、彼女のカップに注ぐ。
「ふう~ん、面白いけれども、何だか落ち着く香り。身体も温まるね」
「そう感じてもらえたのなら大成功だな。あ、スコーンも焼いてきたんだ。食べる?」
彼女の目がぱっと輝いた。
よかった、食欲も出てきたみたいだ。
「うん!」
俺は、先程急いで焼いた、ブルーベリー入りとにんじん入りの二種類の小さいスコーンを取り出した。
美味しいね、と目を細めて、俺が作ったチャイを飲みスコーンを食べる月子。
愛おしさが胸に溢れる。
「ごちそうさまでした」
「足りた?」
「うん、とっても美味しかった!錫也、ありがとう」
「いえ、どういたしまして」
俺は鞄からブランケットを取り出してシートの上に敷いた。
「それでは、と。はい、まずこの上に座って」
きょとんとした顔をして、それでも彼女は素直に俺の言ったとおりにしてくれた。
「そして、横になって目を瞑る」
「ええ~っ、ここでお昼寝をしろってこと?」
「そうだよ。お前さ、ここのところ疲れているだろ。顔色も良くないし。だから、少しだけでもいいから眠りなさい。ちゃんと起こしてやるから」
そう言って月子の手を握る。温まってきた手に安心した。
「ほら、手を握っててやるから、おやすみ」
「あの、ちょっと恥ずかしいよ。誰かに見られるかもしれないし」
「大丈夫。木と俺の蔭になって見えないから安心して。とりあえず、目を瞑ってごらん」
しばらく彼女は躊躇っていたが、横になりやがて小さなあくびを一つすると、じゃあ起こしてね、といって目を閉じた。
いくらも経たないうちに、静かな寝息が聞こえてくる。
俺は片手で、持ってきた自分のコートを彼女の上に広げた
スパイスについて勉強しておいて良かった。
もう少し研究して、体調に合わせた好みの料理をいくつか開発するかな。
ああ、そうだ、ハーブティーも試してみようか。
あどけなくやさしい月子の寝顔に胸が温まる。
な、月子。
お前の心も身体も、俺が守るよ。
今日のチャイのように、お前が疲れていたら心を和らげて、冷えていたら温めて、お前が歩いていくための栄養になりたい、といつも思っている。
だから、これから先もずっと俺のすぐ横で、生き生きと笑っていてほしい。
そして俺にだけ、こんな可愛い顔を見せてくれないか。
月子の手をしっかりと握り直す。
チャイの香りが、ふわりと漂ってきた。
(終)